01
アトリエ・ダンタンと
ヘンプの物語
アトリエ・ダンタンにとって、服づくりの要となるのは、何よりもまず「生地」。
それは、流行を追うのではなく、“残したいと思えるもの” を、ひとつずつ選び抜く姿勢のあらわれです。
初めてのデニムに選ばれたのが、このヘンプ素材でした。
そもそも、100%ヘンプの糸をつくるには、手間も時間もかかります。
その糸を、職人がシャトル織機を用い、細やかに調整を重ねながら、ゆっくりと、時間をかけて織り上げていく――。
そうして生まれた生地は、ぷるんとしたリネンのような質感と、ほのかな光沢を湛えた、奥行きある表情を見せてくれます。
繊維の一本一本が太く、丈夫で、張りがありながら、色合いには茄子紺のような深みと、ニュアンスある美しさが宿ります。
02
静かな時間とともに
育つジャケット
シンプルであることの美しさを、そっと教えてくれるような一着。
ヘンプデニムの豊かな風合いをまっすぐに感じていただくため、装飾はごく控えめに。
ステッチは目立たせず、ボタンには繊細なゴールドを添えて。
袖口にはあえてカフスを付けず、くるりと腕をまくれる、やわらかな仕立てに。
さっと羽織るだけで、どこか品のある佇まいに包まれます。
ゆったりとしたシルエットは、身体のラインをやさしく包み、きれいめな装いにも、ほどよく力の抜けた日常にも、静かに寄り添ってくれます。
時とともに、少しずつ、自分だけの風合いへと育っていく――そんな変化も、たのしみのひとつとなる、大人のためのデニムジャケットです。
Growing together over time
このジャケットには、仕立ての段階で 軽いワンウォッシュを施しています。
はじめの色落ちや大きな縮みをやわらげ、安心して袖を通していただけるようにするためです。
それでも、着はじめの頃には多少の色落ちや色移りが起こることがあります。
けれど、それはここから育っていく証。
着る人の動きや時間にゆっくりと呼応しながら、少しずつ色がやわらぎ、生地がなじんでいく過程には、既製の完成品にはない、特別な美しさと、深まる愛おしさがあります。
裏返して洗うこと、日陰に干すこと。
そんな小さな手間も、この服との時間を静かに刻んでくれるもの。
装飾やステッチを抑えたデザインだからこそ、浮かび上がるのは、自然な陰影と、穏やかな経年の表情。
日々の装いのなかで、静かに、しなやかに育ち、やがて “わたしだけの一着” になっていく――
そんな喜びを感じていただけたら嬉しく思います。